通信販売でお酒を販売する場合、販売できるお酒には制限があります。
なんでも通信販売できるわけではありません。
というのも、国内酒の場合、通信販売できるのは「前年度における酒類の品目ごとの課税移出数量が全て3,000キロリットル未満である酒類製造業者が製造、販売する酒類であること」というルールがあります。
どういうことかというと、例えばある日本酒を通信販売したいとします。
その日本酒を扱っている蔵元(製造者)の年間の日本酒の出荷量が3,000キロリットル未満でなければ、その蔵元の日本酒は通信販売で売ることはできません。
ややこしいのは、この3,000キロリットル未満とはその製造元で出荷されているお酒の総合計数量ではありません。
「酒類の品目ごと」となっていますので、製造しているすべての品目において3,000キロリットル超えてはいけません。
例えば、日本酒と焼酎を作っている製造者であれば、日本酒の出荷量が3,000キロリットル未満と少なくても、焼酎の出荷量が3,000キロリットルを超えているとダメです。
この製造元のお酒は、日本酒であれ、焼酎であれ通信販売はできません。
つまりは、テレビでCMしているような有名なメーカーのお酒はまず通信販売できません。
通信販売で取り扱えるのは出荷量の少ない製造元のお酒(国内製造酒)のみです。
この制限を満たしているかどうかわからないものについては、直接製造元へ問合せて確認してください。
通信販売の免許を申請する場合には、取り扱う予定の酒類品目について「3,000キロリットルを超えていません」という証明書を製造元よりもらわなければなりません。
「製造元から直接仕入れるのではなく、卸業者から仕入れるんだけど」という場合でも、国内酒の通信販売免許を取得したいのであれば、この証明書は必ずいります。
ですので、証明書を発行してくれる製造元とのつながりがない場合は、免許の取得が難しいと思われます。
よく質問されるのが、「日本酒の通販でA社から証明書をもらった。B社やC社の日本酒は証明書をもらわなければ販売できないのか?」ということです。
答えは、B社もC社の日本酒も販売できます。ただし、その製造元が3,000キロリットル未満の制限を超えていなければできます。その制限を守っていれば、免許取得後は証明書をもらった会社以外のお酒も販売可能です。
またひとつ注意事項があります。日本酒の証明書しかもらっていないのに、国産ワインを販売することはできません。国産ワインを販売したい場合は、また別に国内ワイナリーより証明書を入手しなければなりませんので、お酒の品目ごとに証明書が必要なことにご注意ください。
以上の制限は「国内酒」の場合です。
輸入酒の販売の場合には、3000キロリットルの制限も証明書入手の必要もありません。
このように、通信販売では取り扱えるお酒に制限があるので気を付けてください。
申請前にどんなお酒を販売するのかきちんと計画立てることが大事です。
申請した酒類品目以外には販売することができません。
後に条件緩和で変更もできますが、手間と時間がかかりますので、できるだけ初めの段階でどの酒類を通信販売するのか決めておきましょう。